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木造住宅と鉄骨住宅の違いとは?それぞれのメリット・デメリットを住宅のプロが解説

マイホームを建てる際、住宅を木造にするか、鉄骨造にするかという家の工法は悩むポイントのひとつになる方も多いと思います。木造住宅や鉄骨住宅のそれぞれのメリットやデメリットを理解して十分納得した上で決めることは、住宅選びには欠かせません。すでに家の工法について方針が立っている人も、改めて知識として理解しておきましょう。

木造住宅とは

木造住宅は日本の住宅の半分以上を占めます。木造住宅は地震や火災に弱いというイメージをお持ちの方も多いかと思います。地震や火災、台風などの災害が多い日本において、なぜ木造住宅が選ばれ続けているのでしょう。そこにはしっかりと理由があります。木造住宅の特徴と、そのメリットやデメリットについて見ていきましょう。

木造住宅のメリット

木造住宅は、「木造」とある通り、柱など建築に用いる資材に木材を利用して建てる工法になります。古くから建てられてきた日本の主要な工法です。まずはその木造の住宅のメリットについて解説していきます。

木材の調湿効果により、湿度を保つ

木材には調湿効果という性能があります。調湿効果とは、湿度の高い時期では木材が空気中の水分を吸い込み、逆に室内の空気が乾燥すると木材が水分を放出する、という働きのことを言います。そのため木材を使った住宅では、結露の発生とそれによるカビの発生も抑えてくれ、家を快適にしやすくしてくれるのです。

実は鉄骨より火災に強い

「木造住宅は火災に弱い」というイメージが広く浸透しています。建築材を見てみると、木材は燃えますし、鉄骨材は燃えないので、そういったイメージを持たれる人が多くいるのも納得できます。しかし、実は「木造住宅は火災に強い」のです。それはなぜでしょうか。

火災が発生し、高い熱と火にさらされると、当然木材は燃え始めます。しかし、燃えるのはあくまで木材の表面だけなのです。十分に太い木材は、その表面が燃えて炭化することで、炭化層を形成します。炭化層はそれより奥に酸素を通しにくいため、内部までは燃えにくいのです。太い木材でキャンプファイヤーなどをしたことがある人は材木を完全に炭にしきるまでにどれだけ大変かわかるでしょう。

逆に鉄骨住宅で使われる鉄骨材は、軽量鉄骨であれば暑さ6mm未満の鉄骨が使われています。これが火にさらされると、どんどん鉄が高温になりその強度がなくなってしまいます。そして温度が一定以上に上がると、ぐにょっと曲がってしまうのです。木造住宅は、長い間火にさらされてもすぐに崩れることが少ないので、鉄骨住宅に比べ、避難する際の倒壊の危険が少ないのです。

木造住宅のデメリット

次に木造住宅のデメリットについて見ていきましょう。一般的に言われている木造住宅のデメリットには実は誤りがあるので注意すべきでしょう。

木材の品質にばらつきがある可能性

木造住宅の建設に使う木材は、もちろん自然由来の素材です。自然を感じられるというメリットはありますが、自然から生まれたものであるため、どうしても完全に木材の品質が均一かというとそういうわけにはいきません。しっかりと品質管理をする工務店を選びましょう。

「木造住宅は耐震性が低い」は誤り

木造住宅は耐震性が低いというイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。実は、耐震性において、完全に鉄骨住宅の方が優秀であるというのは間違っています。住宅の耐震性において、「建物自体の重量」は大きな要素になります。重い建物の方がより強く地震エネルギーが働いてしまい、大きく揺れやすくなるのです。もちろん揺れない建物の方がその被害も少なくなります。

耐震性とは、建物の工法それ自体にはよらず、それぞれの建物がどれだけ耐震性をそなえているかによります。木造住宅でも、最新の耐震・制震技術を取り入れた住宅は地震に強いですし、鉄骨住宅でも耐震の機能を備えていなければ地震に弱い建物になるのです。

鉄骨住宅とは

木造住宅に並びよく使われる住宅の工法として、鉄骨住宅があります。鉄骨住宅とは、その名の通り、建築に用いる資材に鉄骨材を利用して建てる工法です。鉄骨住宅にも様々なメリットやデメリットが存在するので、よく比較検討することが必要です。

鉄骨住宅のメリット

まずは鉄骨造の住宅のメリットについて解説していきます。

鉄骨の品質が一定

木造住宅に材料として使われる木材は、使用する木の種類やその品質にバラツキがあります。自然から生まれるものなのでそれは仕方ないことです。一方、鉄骨住宅に材料として使われる鉄骨の材料は、人工的に工場でつくられるものなので、品質が一定の鉄骨材を供給することができます。材料の質によらず、住宅の質が安定するのは鉄骨住宅の一つのメリットと言えます。

火災保険料が安い

鉄骨住宅は、火災保険に入った際の保険料が木造住宅に比べて安くなります。なぜそのふたつの工法で保険料が変わるかというと、 保険料が、建物の「構造級別」によって決まるからです。木造の住宅と鉄骨造の住宅では、この構造級別が異なるため、保険料に差が出てくるのです。

木造より空間や窓を大きくできる

鉄骨住宅のメリットとして、空間を広く作りやすいという点があります。木造住宅も設計の自由度という利点があるものの、鉄骨住宅では柱と柱の間を大きく開けることができるため、室内の空間を広々と確保しやすいのです。また、窓の大きさの制約も木造住宅と比べて少なくなります。

鉄骨住宅のデメリット

次に鉄骨造の住宅のデメリットについてもしっかり見ていきましょう。

断熱性が低い

鉄は熱伝導率が高い、つまり、熱を通しやすいというのはよく知られています。木材と鉄材では、熱伝導率が桁違いの差があります。このため、鉄を家の資材として使用する鉄骨住宅は、木造住宅より家全体として熱を通しやすくなりやすいのです。家の断熱性能が低いと、夏暑く、冬寒い家になってしまいます。鉄骨住宅の中でも、特に軽量鉄骨造の家は断熱性が低く、熱中症などのリスクも高いと言われています。この断熱性能は、鉄骨住宅を建てる上で見逃せないポイントになります。

自分の状況に合う住宅はどちらかしっかり見極めて

ここまで、木造住宅と鉄骨住宅それぞれの特徴やメリット・デメリットについて解説してきました。どちらにも様々なメリットとデメリットがあるため、一概にどちらを選ぶべきと言うことはできません。家を建てる方が、自分の状況や自分が本当に求めることを踏まえ、十分検討していくことが重要です。

健康住宅グループでは、「心地よい家の先にある、心地よい暮らしをつくる」をテーマに、様々な予算のケースに合わせて、お客様にとって本当に価値のある家をご提案いたします。

無料の相談会等も行っておりますので、ぜひ一度足を運んでいただければ幸いです。

健康住宅株式会社
健康住宅株式会社は福岡県内を中心に年間100棟を超える注文住宅を建てる会社です。 福岡県内で住宅に関わるプロとして、家を建てることを検討している全ての方へ役立つ情報を発信します。